TOP>高山病と安全対策

トレッキングを行うにあたって、「高山病」についての認知が必要になります。普段、山歩きをされている方でも体調や急激なペースアップによって高山病にかかる可能性があります。
このコーナーでは、高山病についての一般知識を掲載しております。トレッキングにご興味を抱かれている方々は、是非ご一読いただくことをお勧めいたします。
また、当社はお客様が安心してトレッキングなさるため、高所ツアーにおける安全対策に取り組んでおります。当社のツアーにお申込みいただいたお客様へは「MIURAベースキャンプ」低酸素室のご利用と、オーツーフォレスト(携帯酸素)のご利用を推奨いたします。ご利用を希望されるお客様はご相談下さい。
TOP>高山病と安全対策>高山病
1.高山病
1) 高所トレックの注意点
高度順応及び高度障害の発症は個人差があり、また高度障害は気温とも密接な関係があります。
トレッキングのベストシーズン、11月中旬の標高3800mでは、朝晩の気温が0度を下回り、氷点下になります。体温が低下すると血管の収縮によって血流が悪くなり、高山病(高度障害)にかかり易くなります。そのために、しっかりとした防寒を心がけ、特に手先や頭、首周りは注意した方が良いでしょう。
海抜0mでの酸素量を100とした場合、エベレストのベースキャンプ5350mでは半分の50になります。従って、高所では通常の倍の呼吸をすれば良いかと言うとそうではありません。呼吸法は、“腹式呼吸”、“口すぼめ呼吸”をお薦めします。 口すぼめ呼吸とは、大きく深呼吸し、口をすぼめて唇に力を入れ、ストローから息を吹き出す感じでお腹に力を入れて長く吐きます。この要領で呼吸すると、お腹に力を入れる事によって肺が収縮し、肺の中の気圧が高くなるので、酸素が体内に吸収され易くなります。
2) 高度障害の症状
最も一般的な高山病の発症は、微熱・せき・頭痛など風邪の症状に似ています。またこの他の症状としては、食欲不振、吐き気、嘔吐、むくみ、息切れ、脱力感、めまい、不眠などがあげられます。風邪をこじらせ、標高3400m場所で肺炎から肺水腫に進行した例もあります。
肺水腫の場合は酸素吸入を続けても、肺自体に酸素を吸収する能力が無いので全身が低酸素症となり、呼吸困難、意識障害、意識不明・昏睡といった事態に陥ることもあります。 また、脳浮腫と言われる運動神経(小脳の働き)に失調をきたす高山病もあります。脳浮腫も症状が進行すると、激しい頭痛、極度の疲労感、言語障害や幻覚、意識混濁などの症状が表れ、意識不明・昏睡へ陥る場合があります。
従って、肺水腫や脳浮腫と言われる重度の高山病にかかった場合、高所において適切な処置の方法は無く、出来るだけ早く下山させる必要があります。
3) 高度障害の予防方法
水分補給による新陳代謝の促進と充分な保温が大切です。過喚気と発汗により、知らず知らずのうちに、体内から1日3〜4リットルの水分が奪われています。この状態が続くと、脱水症や濃血(血液が濃くなる事)が起こり、高山病の原因となります。
従って、3000m以上の標高では1日4リットル程度の水分補給を心がけて下さい。また、最近ではダイアモックスと言う利尿作用のある薬の服用も効果があると言われていますが、高血圧症や緑内障などの既往症がある方には使えないとの報告がありますので、服用については注意が必要です |
TOP>高山病と安全対策>ダイアモックス
2.ダイアモックス(DIAMOX)
アセタゾラミゾ(以下、ダイアモックス)の服用は、「軽度の高山病」の場合に有効であるという日本旅行医学会の報告があります。 登山やトレッキングを扱う多くの旅行会社で利用されているようで、当社も高所のトレッキングにおいて安全対策としてダイアモックスを用意しています。
ダイアモックスを服用することで2つの効果があると言われています。 一つ目は、腎臓から重炭酸塩の排泄を促し、体液を酸性にする働きです。これにより高所登山・トレッキング中の過換気の結果起こる体液アルカリ化を是正し、呼吸を促進させます。その結果、高所での睡眠中に起こる間歇呼吸が緩和され、リラックスした状態で休む事が可能となり、高度順応を促します。 二つ目は、脳髄液を酸性側に保つ事で、脳浮腫の発症を抑制します。 これらが「ダイアモックスが高山病に効く」とされる根拠です。 「排尿作用が高山病の症状緩和を促進する」といったこれまでの見解は誤りであると言われています。確かにダイアモックスには弱い利尿作用が認められますが、これが高山病の症状を改善するというわけではありません。
しかし、そもそもダイアモックスは高山病の予防薬として開発された薬ではありません。「軽度の高山病」であった場合、症状を軽減させる働きがあるという程度です。“特効薬”ではないことをご承知ください。 また、ダイアモックスには副作用として口唇や手足にしびれが出る場合があります。この口唇や手足のしびれは低カリウム血症で、対策としてオレンジジュースやバナナを摂ることで緩和されます。この薬に対するアレルギー反応はほとんど聞かれませんが、サルファ剤にアレルギーのある方、高血圧で医師から薬を処方してもらっている方などは服用を控えて下さい。
当社では軽い高山病の症状を発症されたお客様に対して、ご本人の希望があれば、朝食後などにダイアモックス1/2錠を服用して頂いています。 実際の効果は様々ですが、概ね酸素血中濃度(血液の中の酸素濃度)は上昇し、症状の回復する傾向が見られます。
【参考】こちらも合わせてご参照下さい。
日本山岳会 山岳医療委員会 中島道郎氏論文 http://jacclimbingmed.hp.infoseek.co.jp/page-03-016.html
日本山岳会 山岳医療委員会 野口いずみ氏論文
http://jacclimbingmed.hp.infoseek.co.jp/page-03-041.html
|
TOP>高山病と安全対策>小型パルスオキシメーター
3.小型パルスオキシメーター
3,000mを越える高度では、高山病が発生する可能性が非常に高くなります。肺水腫、脳浮腫など重症の高山病にならないためにも、ご自身による体調管理が必要となります。
高山病を回避する目安として、遠征隊や高所トレッキングで使用されているものが、「小型パルスオキシメータ」(以後、パルオキ)です。これは医療機関でも使用されています。
端的にいうと、高山病とは酸素が体中に回らなくなって起こります。パルオキは動脈血中の酸素飽和度(SPO2)と心拍数を計測することでき、高山病の度合いを判断することができます。 下界(高度0m付近)では健康な方であれば、SPO2が100%近く、心拍数が70位です。 これが4,000m、5,000mの高度になると、 @順応している方でSPO2が85〜90%、心拍数80〜90 A順応が出来ていない方で60%以下、心拍数100以上になってきます。
当社では、ネパールのカラパタールやキリマンジャロなど標高4,000mの宿泊を含むツアーにて、添乗員がパルオキを持参します。朝晩の2回計測を行い、お客様と体調などを話し合いながら、高山病の度合いを判断しております。
|
TOP>高山病と安全対策>健康診断(検診ネットワーク)
4.健康診断(検診ネットワーク)
当社ではトレッキング専門会社数社と日本登山医学界会が提携した「登山者検診ネットワーク」の構築とサービスの提供を進めております。 「4,000m以上の場所で宿泊するツアーの参加者、または重大な既往症(心不全、心筋・脳梗塞、心疾患・脳疾患など)がある方には、必ず検診ネットワークが作成したフォームを用いて健康診断を受けていただきます。 お手数をお掛けしますが、トレッキング中の事故を未然に防ぐための措置として、ご理解下さいますようお願い申し上げます。 なお、診断結果によっては、ご参加を見合わせていただく場合もあります。予めご了承下さい。
1.健康診断の書類につきましては、正式なお申込み(参加申込書及びお申込み金の受領)をいただく以前、またはツアーの催行決定以前にお渡しする場合がございます。
2.健康診断に掛かる費用につきましては、お客様のご負担とさせていただきます。
3.健康診断の結果によっては、他のコースへお移りいただくか、あるいはツアーにご参加いただけない場合がございます。
4.ツアーが催行されなかった場合、または健康診断の結果によりツアーにご参加いただけない場合でも、健康診断にかかる費用、また渡航手続きに要した費用(査証取得費用など)はお客様のご負担とさせていいただきます。
5.3ヵ月以内に人間ドッグを受けられている場合、その診断結果をもって判定をすることが可能です。ただし、検査項目に不十分な店がある場合、不足の項目のみを受診していただきます。
6.診断結果につきましては、検診ネットワークに参加している医療機関の方が早く出ますが、医療機関によっては近々の検診予約を取ることが困難な場合がございます。検診ネットワーク参加している医療機関、一般の医療機関、とちらの場合でも、お早めにお手続きされることをお勧め致します。
健康診断書のサンプルはこちら 問診票のサンプルはこちら
※健康診断を受けていただく主なツアー
カラパタール、ゴーキョ、ラウンド・アンナプルナ、キリマンジャロ、チョモラリ、青蔵鉄道など
|
TOP>高山病と安全対策>「MIURAベースキャンプ」常圧低酸素室の特別利用
5.「MIURAベースキャンプ」常圧低酸素室の特別利用
2005年2月、東京の代々木に「MIURAベースキャンプ」の低酸素室が完成しました。 もともとの目的は、三浦雄一郎氏のエベレスト登山の高所トレーニングとしてでしたが、現在は一般にも公開され、誰でもトレーニングを受けることが可能です。 トレーニングでは、専属トレーナーがついて常圧低酸素室でトレーニングを行います。高所
モニター参加者のデーターから判断すると、概ね1回目より3回目の数値の方が明らかに良くなっており、効果があることが実証されております。高所でトレッキングされる場合は、「MIURAベースキャンプ」をご利用されることをお勧めします。
ご利用を希望される方はご相談ください。
ミウラドルフィンズ公式ホームページ http://www.snowdolphins.com/
 |
 |
 |
| 三浦豪太さんと三浦雄一郎さん |
低酸素室でのトレーニング |
地図(拡大します) |
|
TOP>高山病と安全対策>オーツーフォレスト(携帯用酸素)
6.オーツーフォレスト(携帯用酸素)
当社では高所へ行かれるお客様へ「オーツーフォレスト」(携帯用酸素)をお勧めしております。 プラスチックの専用容器に酸素発生剤と水を加えれば、酸素が発生するという非常に便利なものです。従来、海外でのトレッキングの場合、現地に酸素ボンベが無かったり、あったとしても重いボンベをセットする手間がかかっておりました。
 |
| オーツーフォレスト |
その点、オーツーフォレストをご利用されますと、飛行機でも持ち運べることが出来、セットも簡単なためご自身でいつでも気軽に酸素を吸っていただけます。 高山病になってからではなく、一日の行程が終わった時など吸引していただければ良いでしょう。 当社のツアーにご参加いただく方々にはオーツーフォレストのパンフレットと申込用紙をお配りしています。どうぞご利用下さい。
|
TOP>高山病と安全対策>ホテル・エベレスト・ビュー衛星携帯電話サービス
7.ホテル・エベレスト・ビュー衛星携帯電話サービス
エベレストを眺めながら、日本へ電話してみてはいかがでしょう。 当社では2005年10月から「衛星携帯電話」を使ったサービスを始めました。 日本のご家族へのご連絡、また緊急の際にご利用下さい。 世界中どこでも通話料金$5/分! ※業務で使用している場合は、しばらくお待ちいただくか、場合によってはご利用できません。 ※通話が可能な状態から料金が発生します。また留守番電話でも料金がかかります。 ※気象条件等によって電波状況が悪かったり、あるいは通話できない場合があります。 |
TOP>高山病と安全対策>ホテル・エベレスト・ビューの酸素ボンベ利用
8.ホテル・エベレスト・ビューの酸素ボンベ利用
ホテル・エベレスト・ビューは標高3,880mという高度に立地しており、このことから高度傷害や高山病が発生しやすい環境と言えます。高度傷害や高山病は年齢、登山経験の有無に関わらず、その時の体調、疲労度、気温などによって発症するため十分な注意が必要です。 ホテル・エベレスト・ビューでは安全対策として酸素ボンベを設置しています。酸素吸入後、血中酸素飽和濃度が上昇し、体調が回復する場合があります。頭痛、発熱、吐き気、めまい、睡眠障害など体調の不振を覚える方は、まず添乗員やツアーリーダー、ホテル・スタッフにご相談下さい。どなたでもご利用いただけます。
酸素ボンベ利用料(目安) 1時間約US$30ドル(1分当たりの酸素の気圧によって変動します。) *日本円、ネパール・ルピーでも御支払が可能です。 *時間を延長してご利用いただくこともできます。 |
TOP>高山病と安全対策>ホテル・エベレスト・ビューの安全対策
9.ホテル・エベレスト・ビューの安全対策
標高3,880mの高所にあるホテル・エベレスト・ビューでは、ご宿泊のお客様に対して下記の対策を処して、皆様の安全を確保しております。
1:高山病に対する対応 高山病の症状は、高山病に記した通りです。 ホテル・エベレスト・ビューでは、お客様の健康状態を把握するために、随時血中飽和酸素濃度測定器を用い、高山病(高度障害)の症状を把握して各症状に応じた下記の対応を義務付けております。なお、酸素のご利用には酸素代(1気圧=$1)をご請求させて頂きます。
1)
初期症状(血中飽和酸素濃度測定器の数値が70〜80台) 客室にて血中飽和酸素濃度が安定した状態(80以上)に戻るまで酸素吸入を行います。 症状の改善が見られない時は、クンデ・ホスピタル(ホテルより徒歩約30分)に搬送。医師の診断を受ける。 ※搬送に伴う費用、及び診察費は別途必要です。
2)
中期症状(血中飽和酸素濃度測定器の数値が60〜70台) 酸素吸入を施し、クンデ・ホスピタルへ搬送。医師の判断次第では、レスキューヘリコプターにてカトマンズへ搬送。カトマンズの病院にて治療を受ける。 ※搬送に伴う費用、及び診察費は別途必要です。
※海外旅行傷害保険にご加入いただくことをお勧めします。ただし、搬送費、診察費などが全て保険の対象になるとは限りません。ご注意下さい。詳細はお問合せ下さい。
3)
重症(血中飽和酸素濃度測定器の数値が50〜60台) 酸素吸入を処して、レスキューヘリコプターの要請を行い、速やかにカトマンズへ搬送。カトマンズの病院で治療を受ける。 ※搬送に伴う費用、及び診察費は別途必要です。
※海外旅行傷害保険にご加入いただくことをお勧めします。ただし、搬送費、診察費などが全て保険の対象になるとは限りません。ご注意下さい。詳細はお問合せ下さい。
2:各地の連絡体制 ○ホテル・エベレスト・ビュー ←→クンデ・ホスピタル 徒歩約30分。高山病患者はホテル所有の“馬”または“担架”で搬送 ○ホテル・エベレスト・ビュー ←→カトマンズ ホテル所有の衛星携帯電話または無線機を使いカトマンズに連絡可能、ヘリコプターにて約1時間 ○ホテル・エベレスト・ビュー ←→日本 ホテル所有の衛星携帯電話で直接日本へ。または無線機を使いカトマンズを経由して、日本に連絡可能。また日本からの連絡もホテルに伝達可能
|
TOP>高山病と安全対策>現地会社における安全対策
|